インターネット回線を契約すれば、すぐに快適なネット生活が始まると思ってギリギリで契約を進めようとしていませんか?
しかし、フレッツ光をはじめとする光回線は “回線を自宅に引き込むための工事”が必要で、この工程が思いのほか厄介なこともあります。
特に初めての光回線契約では、「業者が来て勝手に全部やってくれる」と思いがち。
けれど現場では、建物の構造や既存の配線状況によって、「想定通りに進まない」ことがよくあるのです。
ここからは、光回線の工事がうまくいかない原因と、実際に取られる対処法について詳しく解説していきます!
契約して終わりじゃない、光回線の「引き込み工事」という壁
光回線の引き込みでまず検討されるのは、既存の電話線チューブを使って配線する方法です。
これは建物の外から室内へ、すでに通っている配管を利用するため、見た目にも配線が目立たず、壁に新たな穴を開ける必要もありません。
ところが、築年数の古い家や配線が複雑な集合住宅では、このチューブがうまく使えないケースが出てきます。
中が劣化していたり、以前の配線が詰まっていたりして、光ケーブルが物理的に通らないという事態が発生するのです。
こうなると、工事担当者は別ルートを検討せざるを得ません。
その場で再配線ができればいいのですが、場合によっては工事日を改めたり、管理会社との調整が必要になったりと、時間も手間も増えてしまいます。
引き込み口がない!室内への導入ルートの確保が課題に
建物の外から光ケーブルを引けたとしても、最終的にはそれを室内に入れる「導入口」が必要になります。
ところが、これがまた難題になることがあります。
特に問題になりやすいのは、壁に配管用の穴が見当たらないケースです。電話線用の差込口が部屋の奥で家具に塞がれていたり、マンションでは共有設備との接続部分に制限があったりすることも珍しくありません。
そこでよく活用されるのが、エアコンの配管口です。
室内機と室外機をつなぐためにすでに穴が開いていることが多く、光ファイバーのような細いケーブルなら、そこを通すことができる場合があります。
もちろん、これは無条件で使えるわけではなく、内部に十分なスペースがあるか、パテなどでしっかり密閉できるかどうかなど、いくつかの条件をクリアする必要があります。
しかし、電話線チューブが使えない場合には、有力な代替手段の一つと言えるでしょう。
集合住宅特有のハードルも
マンションやアパートでは、さらに複雑な事情が絡んできます。
たとえば、建物全体で特定の回線業者しか契約できないようになっていたり、そもそも光回線の設備が導入されていない物件もあります。
また、共有スペースでの配線工事には管理会社や大家の許可が必要です。許可がなかなか降りなかったり、書類申請に時間がかかったりすることで、予定より大幅に工事が遅れることもあります。
加えて、集合住宅の配線は複雑で、MDF(主配線盤)という共用設備を経由して各戸に配線される仕組みになっている場合、個別の工事ができないという制約もあるのです。
こうした状況では、たとえ室内に光コンセントがあっても、それが機能していないこともあり、いざ工事日になって「配線できません」と言われてしまうこともあります。
工事が難航したときに取れる選択肢
工事当日、思わぬトラブルで光回線の引き込みができないとなった場合、業者からいくつかの対処法が提案されることがあります。
まず第一に検討されるのが、別ルートの引き込み。
たとえば、電話線チューブが使えなければ、電柱から建物の外壁に沿って直接配線を引く方法。さらに、室内への引き込み口がなければ、エアコン穴や新たな穴の開口などが選択肢に入ります。
ただし、これらは建物によって可否が異なり、マンションなら管理会社の承諾が不可欠です。
もし工事そのものが物理的に不可能だった場合、光回線以外の選択肢に目を向けることも必要になります。
たとえば、近年人気が高まっているのがホームルーター型のインターネット回線です。工事不要で、コンセントに挿すだけで使えるため、特に賃貸物件や引っ越しの多い人にとっては現実的な代替手段になり得ます。
工事に備えて準備すべきこと
光回線の引き込み工事は、想定外のことが起こりやすいもの。
だからこそ、あらかじめ以下のような準備をしておくと安心です。
①事日当日は時間に余裕を持ち、少なくとも半日程度は予定を空けておきましょう。
また、室内の配線作業が必要になる可能性を考えて、特にエアコン周りやコンセント付近の家具や荷物は、事前にどかしておくとスムーズです。
②さらに、工事スタッフが到着したら、どこに穴を開けるのか、配線がどこを通るのかなどをしっかり確認し、気になる点はその場で相談しましょう。
まとめ
フレッツ光をはじめとする光回線の導入には配線ルートの確保や管理上の制約など、当日になって初めて分かる問題も多く、「簡単にはいかないこともあるという心構えが必要です。
それでも、業者としっかり連携し、柔軟に対応していくことで、たいていの場合は解決への道が見つかります。
万が一、工事ができなかった場合も、ホームルーターやポケットWi-Fiといった代替手段があるためネットが使えなくなるという最悪の状況は回避可能です。
何があっても慌てず対処できるように、知識と選択肢を持っておきましょう!
ここまでお読みいただきありがとうございました(^^)